この章では、Pythonプログラムの開発に欠かせないPythonライブラリの導入方法について解説します。
ライブラリを導入すると、高度な処理を簡単なプログラムで記述でき、プログラムの作成効率は格段に向上します。
以下、ライブラリの予備知識を簡単に説明した後、具体的なインストール方法を説明します。
ライブラリとは何か
まずライブラリ・パッケージ・モジュール・関数という言葉について理解しましょう。
・関数とは、print関数など、ある機能を備えたプログラム言語の単語のようなもの
・モジュールとは、複数の関数を1つの詰め合わせセットにしたもの
・パッケージとは、モジュールの集まり
・ライブラリとは、モジュールやパッケージのこと
つまり、「関数」がもとになっていて「関数<モジュール<パッケージ<ライブラリ」という関係になっていることをイメージしておいてください。
そして、Pythonプログラムで準備された「関数」を利用するには、以下の3通りの方法があります。
・Python本体をインストールする際に一緒にインストールされるライブラリに入っている関数
・「pipコマンド」によるパソコンへのインストール不要
・「import モジュール名」によるプログラム先頭での記述必要
上記①②についてはPython公式ドキュメントで解説されています。
Python 標準ライブラリ — Python 3.9.4 ドキュメント
・①にも②にもない関数
・「pipコマンド」によるパソコンへのインストール必要
・「import モジュール名」によるプログラム先頭での記述必要
外部ライブラリはPyPI(Python Package Index)と呼ばれるサードパーティライブラリの保管庫にあります。
PyPI · The Python Package Index
なお、外部ライブラリのおすすめ27選を以下の第8章で紹介しています。
biz-it.xyz
ライブラリ単体インストール
Windowsコマンドプロンプト画面からのインストール
コマンドプロンプト画面を立ち上げて、py -mを付けて、pipコマンドを実行します。
<pyautoguiライブラリをインストールする場合>
py -m pip install pyautogui
Visual Studio Code画面からのインストール
Visual Studio Code を立ち上げて、画面右下側のターミナルから直接、pipコマンドを実行します。
ライブラリ一括インストール
pipコマンドに以下のオプションを付けることで、requirements.txtに記述された複数のライブラリを一括でインストールできます。
<設定ファイル名requirements.txtで一括インストールする場合>
pip install -r requirements.txt
設定ファイル名は任意につけることができます。一般にrequirements.txtという名前が使われます。
注意)うまくインストールができない場合、設定ファイルが保存しているフォルダのパスを直接指定して実行してみてください。
<requirements.txtがc:\pythonの中にある場合>
pip install -r c:\python\requirements.txt
設定ファイルの記述方法
設定ファイルの中にインストールしたいライブラリを1行ずつ記述します。
<pyautogui,selenium,xlrdの3つをインストールする場合>
pyautogui selenium xlrd
インストール済みライブラリの確認
ライブラリのアップデート
コマンドプロンプト画面で以下を実行すると、インストール済みライブラリを最新バージョンにアップデートできます。
pip install --upgrade pyautogui または pip install -u pyautogui